子どものやる気を引き出すリビング・ダイニング

テレビを観たり、食事をしたりと家族が集うリビング・ダイニング。くつろぎの場としてのイメージがありますが、近年では“集中力が身につく”“親子のコミュニケーションが増える”といったメリットが話題となり、“リビング学習”という言葉も登場するなど学習スペースとして活用されるケースも増えてきました。今回は、そんな学習に適した空間作りのために意識しておきたいポイントを、二級建築士であり、インテリアコーディネーターでもある黒﨑悦子さんに伺いました。

 

■学習スペースはダイニングが最適

各種メディアでその有効性が取り上げられたことから、近年“リビング学習”を意識した間取りを希望される方が増えています。そこでみなさん迷われるのが、“どこに学習スペースをもってくるか”ですが、やはりおすすめはダイニング。親にとっては、キッチンで作業しながらでも子どもの様子を見守ることができます。また、子どもにとっては親が近くにいるので安心して集中できるとともに、分からないことはすぐに聞くことが可能です。つまり親と子の両者にとって“リビング学習”のメリットがもっとも発揮される場所なのです。
また学習スペースとしては、学習カウンターを設けるのはどうでしょうか。ダイニングテーブルと高さを揃えれば、ダイニングチェアが兼用できるので、スペースの有効利用が可能です。さらに、子どもが成長したあとは家事スペースとしても活用できるメリットもあります。

■環境作りの意外な盲点は“照明”

レイアウト同様に重要なのが“照明”です。残念ながら、間取りや収納を気にされる方は多くても、“照明”を気にされる方はほとんどいません。ですが、学習しやすい環境作りのための一番のカギとも言えるのが、照明の色味なのです。一般的に、リビングやダイニングの照明には太陽光に近い「昼白色」や、オレンジ色がかった「電球色」が多く用いられ、なかでも学習には「昼白色」が向いていると言われています。ですが、リビングの雰囲気も重視したいという場合には「温白色」もおすすめです。というのも「温白色」は、「昼白色」と「電球色」の良さを兼ね備えているため、ほどよいくつろぎと作業性を両立させることができるのです。最近では、明るさだけでなく、色味を調整できる調色機能のついた照明器具も多数販売されています。そういったものを導入すれば、生活シーンに合わせて空間の雰囲気を手軽に変えられます。また、部屋全体を照らす照明だけでは、どうしても手元が暗くなりがちなので、可動性のある照明やスタンドをうまく活用して、学習カウンターや机の作業面に照明を備えることも大切です。

■色やクロス選びにもこだわって、楽しく学べる空間に

 

“リビング学習”の効果を高めるには、“色”も重要なポイントです。学習スペースには、“心を落ち着かせ、集中力を高める”効果があるとされるライトブルー系を使うといいでしょう。例えば、学習カウンター前の壁にアクセントとしてライトブルー系のクロスを使うのがおすすめです。そのほかにもクッションや、机上の小物類にこういった色をもってくるだけでも効果が期待できます。
最近は、水性マーカーで書いたり消したりできるホワイトボードや、チョークで書ける黒板のようなクロスもあります。ワンポイント的に用いると、親子で一緒に計算問題を解いたり、時にはお絵かきをしたりと、いろいろな場面で活用できますよね。

家族が集う場所で、安心して学習できるのが魅力の“リビング学習”。子どもがより学習に集中できる環境作りを心掛けてあげたいものですね。

 

 

<取材協力> 
オフィスカラード 二級建築士事務所
二級建築士、インテリアコーディネーター 
黒﨑悦子さん